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物性物理学:加圧された3層La4Ni3O10−δ単結晶の超伝導

Nature 631, 8021 doi: 10.1038/s41586-024-07553-3

銅系のモデルとは異なる新しい高温超伝導体の発見の追求は、超伝導の背後にある機構を説明する上で大きな意味があり、また、新たな応用を実現する可能もある。今回我々の研究によって、ニッケル酸塩La4Ni3O10−δの3層単結晶におけるスピン–電荷秩序が、圧力印加によって効果的に抑制され、69.0 GPaで約30 Kという最高臨界温度(Tc)の超伝導が発現することが示された。また、DC帯磁率測定では、Tc以下での大きな反磁性応答が確認され、80%を超える体積分率のバルク超伝導の存在が示された。常伝導状態においては、最高300 Kまでの線形の温度依存性抵抗を特徴とする、異常金属的挙動が観測された。さらに、観測された層依存性の超伝導は、ニッケル酸塩に特有の他に例を見ない層間結合機構を示唆しており、この点で銅酸化物とは一線を画している。これらの知見は、超伝導を支える基本的な機構について非常に重要な手掛かりをもたらすとともに、スピン–電荷秩序、平坦バンド構造、層間相互作用、異常金属的挙動、高温超伝導の間の複雑な相互関連を調べるための新しい材料プラットフォームをもたらす。

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