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物性物理学:電子ドープおよび正孔ドープBernal積層2層グラフェンにおける調整可能な超伝導
Nature 631, 8020 doi: 10.1038/s41586-024-07584-w
グラフェン系の高品質二次元電子系は、超伝導を研究するための高度に調整可能なプラットフォームとして浮上している。具体的には、超伝導が、電子ドープと正孔ドープ両方のツイストグラフェンモアレ系で観測されている一方、結晶グラフェン系では、超伝導はこれまで正孔ドープ菱面体晶3層グラフェン(RTG)と正孔ドープBernal積層2層グラフェン(BBG)でしか観測されていない。最近、単層WSe2との近接性に起因する、BBGにおける超伝導の増強が実証された。今回我々は、静電ドーピングによって電子をドープしたBBG/WSe2デバイスと正孔をドープしたBBG/WSe2デバイスにおいて、超伝導と、一連のフレーバー対称性を破る相を観測したことを報告する。観測された超伝導の強さは、印加垂直電場によって調整可能であった。電子ドープ超伝導と正孔ドープ超伝導のベレジンスキー–コステリッツ–サウレス転移温度の最大値は、それぞれ約210 mK、約400 mKである。超伝導は、印加電場がBBGの電子波動関数または正孔波動関数をWSe2層に向かって駆動する場合にのみ出現することから、観測された超伝導におけるWSe2層の重要性が明確に示された。正孔ドープ超伝導はパウリ常磁性限界を破っており、これはイジング型超伝導体と一致する。対照的に、電子ドープ超伝導はパウリ限界に従っているが、近接誘起イジングスピン–軌道結合は伝導帯においても顕著である。今回の知見は、BBGにおける伝導帯に関連する豊かな物理を浮き彫りにし、結晶グラフェンの超伝導機構に関するさらなる研究と、BBGに基づく超伝導デバイスの開発への道を開くものである。

