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古海洋学:23億年前の大気–海洋の連結した酸素化の開始

Nature 631, 8020 doi: 10.1038/s41586-024-07551-5

25憶年前の太古代から原生代への移行期の直後における分子状酸素(O2)の最初の増加は、かつて想定されていたような単一段階の変化よりも複雑なものであった。硫黄の質量非依存分別の記録は、この大気中O2の増加が振動的で、おそらく22億年前までは無酸素状態に複数回戻っていたことを示唆している。しかし、同時代の海洋酸素化の動態に対する拘束条件はほとんどなく、惑星酸素化の全体像の理解が妨げられている。今回我々は、南アフリカのトランスバール超層群で得られた海成頁岩について、タリウム(Tl)の同位体比と酸化還元反応に敏感な元素のデータを報告する。同じ頁岩中の大気酸素化を示す硫黄同位体の証拠と同時期に、酸素化した海底にマンガン酸化物が広範囲に埋設されたことを示す低い自生205Tl/203Tl比と、酸素化した海水の拡大と一致する酸化還元反応に敏感な元素の高い存在度が見いだされた。両方の特徴は、硫黄同位体データが無酸素大気状態に短い間戻ったことを示す間は消えていた。我々のデータは、最近特定された初期地球の大気中O2の動態と海洋の領域とを結び付けており、地球の酸化還元史における、不均一で極めて局所的な「オアシス」様式の酸素化からの重要な転換点を指し示している。

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