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有機化学:天然の糖類の直接ラジカル官能基化

Nature 631, 8020 doi: 10.1038/s41586-024-07548-0

天然の糖類や炭水化物は、同じような反応性のヒドロキシル基を数多く含んでいる。従って、グリカンの合成では一般的に、時間と労力を要する多段階保護基戦略に頼って、こうした再生可能原料が試薬(グリコシルドナー)に変換されている。天然の糖類から複雑なサッカリド類への直接変換は、依然として著しく困難である。今回我々は、広く入手可能な天然の糖の構成要素から、部位選択的・立体選択的な化学的グリコシル化を達成する、光誘起の手法を報告する。この手法では、ホモリティックな(一電子)化学を通して、ヒドロキシル基の不必要なマスキングや操作が回避される。この過程は、過渡的なグリコシルドナーが位置制御されて生成する点で自然界の過程を想起させるものであり、続いて光で活性化されると求電子剤とのラジカルに基づくクロスカップリングが起こる。保護基を用いない、この「キャップしてグリコシル化する(cap and glycosylate)」手法は、モノサッカリド類やオリゴサッカリド類の選択的アノマー官能基化を通して、代謝的にロバストなさまざまなグリコシル化合物を直接得ることを可能にする。今回の方法は生体適合性があり、タンパク質の直接的な翻訳後グリコシル化に拡張された。

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