Article

天文学:ケンタウルス座ω星団内にある中間質量ブラックホールの周辺を高速で移動する星

Nature 631, 8020 doi: 10.1038/s41586-024-07511-z

ブラックホールは、太陽質量(M)の5~150倍の質量を持つ恒星の残骸から、銀河中心に発見されたM > 105 Mの質量を持つものまで、幅広い質量範囲にわたって発見されている。しかし、150 Mから105 Mの質量範囲には、ブラックホール候補として議論されているものがほんの数例存在するだけである。これらの中間質量ブラックホールの種族を決定することは、初期宇宙における超大質量ブラックホールの形成を理解するための重要な一歩である。いくつかの研究では、天の川銀河で最大の質量を持つ球状星団であるケンタウルス座ω星団の中心にブラックホールを検出したと主張されている。しかしこれらの研究には、恒星質量ブラックホールの考えられる質量の寄与、星団中心部に対する感度、脱出速度を上回る高速で移動する星の欠如などから疑問が投げ掛けられている。本論文で我々は、ケンタウルス座ω星団中心部の3秒角(0.08 pc)以内に、高速で移動する7個の星を観測したことについて報告する。高速移動するこれらの星の速度は、この星団に予想される中心部の脱出速度よりはるかに速く、そのためこれらの星の存在は、大質量ブラックホールに束縛されているとすることによってのみ説明できる。得られた速度のみから、およそ8200 Mというブラックホール質量の確実な下限が推論でき、これは、近傍宇宙における中間質量ブラックホールの妥当性を立証するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度