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生物地球化学:リゾビウムと珪藻の共生が、海洋の窒素固定の説明のつかなかった不足分を担っている
Nature 630, 8018 doi: 10.1038/s41586-024-07495-w
貧栄養の表層水における窒素(N2)の固定は、海洋への新たな窒素の主要な供給源であり、生物炭素ポンプを働かせる上で重要な役割を担っている。海洋のN2固定についてはこれまで、シアノバクテリアがそのほぼ全てを担うとされてきたが、N2を固定してアンモニアに変換する酵素ニトロゲナーゼをコードする遺伝子は、海洋の細菌およびアーキアに広く存在する。シアノバクテリア以外のN2固定生物についてはほとんど知られておらず、そうした生物が海洋で窒素を固定できることを示す直接の証拠は今のところ得られていない。今回我々は、宿主である珪藻に対し、固定した窒素を光合成炭素の見返りとして提供する、非シアノバクテリアN2固定共生生物「Candidatus Tectiglobus diatomicola」を発見したことを報告する。このN2固定共生生物はリゾビア目に属し、この細菌の単細胞珪藻との関係は、リゾビア目における既知の宿主の範囲を、陸上でのよく知られたN2固定根粒菌とマメ科植物の共生関係以外に広げるものである。今回の結果は、熱帯北大西洋では、リゾビウムと珪藻の共生のN2固定量への寄与がN2固定シアノバクテリア類に匹敵し得ること、そして、この共生関係が、測定されているN2固定速度を説明するだけのシアノバクテリアが存在しない広大な海域でN2固定を担っている可能性を示している。

