Article

フォトニクス:チタンサファイア・オン・インシュレーター集積レーザーと増幅器

Nature 630, 8018 doi: 10.1038/s41586-024-07457-2

チタンサファイア(Ti:sapphire)レーザーは、光周波数コム、二光子顕微鏡、実験量子光学の開発を含め、基礎研究や技術応用の発展に不可欠となってきている。チタンサファイアレーザーは、帯域幅と調整範囲の点で傑出しているが、大きいサイズ、コスト、高い光励起パワーの必要性のため、その使用は制限されている。今回我々は、チタンサファイア技術の劇的な小型化、コスト削減、拡張性を可能にする単結晶チタンサファイア・オン・インシュレーター(Ti:SaOI)フォトニクスプラットフォームを実証する。我々はまず、低損失のウィスパリングギャラリーモード共振器の作製を通して、非常に低いサブミリワットのレーザー発振しきい値で動作するチタンサファイアレーザーを実現した。次いで、Ti:SaOI導波路内へのモード閉じ込めを桁違いに改善することで、1 μm以下で動作する集積固体(つまり非半導体)の光増幅器を実現した。我々は、1.0 kWに達するピーク出力まで、ひずみなしの前例のないピコ秒パルス増幅を実証した。さらに、低コストで小型の市販のグリーンレーザーダイオードによって励起可能な、波長可変集積チタンサファイアレーザーを実証した。これは、チタンサファイアレーザーの新しい様式、例えばいくつかの用途に向けた大規模に拡張可能なチタンサファイアレーザーアレイシステムへの扉を開くものである。我々は概念実証として、炭化ケイ素中の人工原子を用いた共振器量子電気力学実験用に単独の光制御装置としてTi:SaOIレーザーアレイを使用した。今回の成果は、コストと占有面積の3桁削減を通した、チタンサファイア技術の民主化に向けた重要な一歩であり、サブミクロン波長光の固体広帯域増幅を提示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度