光学材料:極端な偏光光学素子のための複雑なナノアキラル複合材料
Nature 630, 8018 doi: 10.1038/s41586-024-07455-4
二次元(2D)ナノ材料に由来する複合材料は、比類なく高い電気的特性、熱的特性、機械的特性を示す。極端な条件下でのハイパースペクトル光学素子には、そうした材料のロバスト性と偏光回転の組み合わせが必要である。しかし、硬質ナノプレートレットは、ランダム化されたアキラルな形状を持つため、同等波長の光子の円偏光が混ざり合ってしまう。今回我々は、複雑なテクスチャー表面を有する2Dナノ材料に由来する多層ナノ複合材料が、ナノアキラルで部分的に無秩序であるにもかかわらず、偏光を強くそして制御性よく回転させることを示す。ナノ複合材料膜におけるこの強い円偏光二色性(CD)は、しわ、溝または隆起の斜めパターンに起因しており、直線複屈折(LB)軸と直線二色性(LD)軸の間の角度オフセットにつながっている。1層ずつ(LBL)集合させたナノ複合材料の層状化によって、不精密なナノプレートレットから偏光活性材料を精密に作製でき、その光学非対称性因子gは1.0で、一般的なナノ材料のg因子の約500倍上回っていた。この複合材料光学素子は熱的レジリエンスが高く、これによって250°Cという高い動作温度と、スペクトルの近赤外(NIR)部における高温放射体の画像化が可能になっている。LBL法で作製したナノ複合材料とアキラル色素を組み合わせたところ、理論限界に近い円偏光発光の異方性因子が得られた。今回観測された現象の普遍性は、硫化モリブデン(MoS2)、MXene、酸化グラフェン(GO)から2種類の方法で作製したナノ複合材料偏光子によって実証された。大規模なLBL光学ナノ素子群が計算により設計でき、高耐久光学素子向けに付加的に作製できる可能性がある。

