惑星科学:ウォームネプチューンのメタンによって明らかになる核の質量と活発な大気混合
Nature 630, 8018 doi: 10.1038/s41586-024-07395-z
トランジットする系外巨大ガス惑星の観測結果から、全般的にメタンが欠乏していることが明らかになっており、大気中でメタンが観測されたのはごく最近である。メタンの欠乏は、光化学あるいはより高温の内部からの混合などの非平衡過程によって維持されると考えられている。しかし、こうした惑星の内部構造も鉛直混合の強度もほとんど絞り込まれておらず、得られているのはCH4欠乏の上限値のみである。ウォームネプチューン(温暖な海王星型惑星)であるWASP-107bは、異常に低い密度、報告された低い核の質量、CH4の存在に適した温度を持つことで、系外惑星の中でも際立つ存在だが、これまでの観測ではCH4は確認されていない。本論文で我々は、H2O、CO2、COと共に、SO2およびCH4の特性を示す、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)に搭載された近赤外線分光器(NIRSpec)で得られたWASP-107bの透過スペクトルについて報告する。我々は、4.2σの有意性で1.0 ± 0.5 ppmの存在量のメタンを検出した。これは、平衡状態での予測値に比べて3桁低い。今回の結果は大気と内部構造を強く絞り込むもので、外層は太陽の43 ± 8倍の高い金属量を持ち、高温の内部はその固有温度がTint = 460 ± 40 Kで、拡散係数がKzz = 1011.6±0.1 cm2 s−1の活発な鉛直混合によってCH4が欠乏していることを示している。光化学反応はCH4の存在量にほとんど影響を及ぼさないが、SO2を説明するには必要である。核の質量は11.5+3.0−3.6M⊕と推測され、この値はこれまでの上限値より大幅に高く、核集積モデルを適用する際の問題点を解消する。

