Article

生態学:生物多様性の保全を目的とする活動の確認例の世界的な不足

Nature 630, 8016 doi: 10.1038/s41586-024-07498-7

絶滅危惧種とは、当然ながら支援を要する種のことである。適切な保全介入がなければ、これらの種は間もなく姿を消す可能性が高い。保全介入が世界的にどこでどのように実施されているのか、また、それらがどれほどの効果を上げているのかについては理解が進んでいない。今回我々は、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種レッドリストおよびその他の世界的データベースから得られた情報を用いて、生物多様性喪失の三大駆動要因(生息地の喪失、国際取引を目的とした乱獲、侵入種)のリスクにさらされている種では、その多くについて適切な種類の保全介入が欠如していると見られることを見いだした。実際、保護区のネットワークが近年大幅に拡大してきたにもかかわらず、絶滅危惧種の91%は保護区内に十分な生息地が含まれていないことが分かった。保全介入は異なるタクソンや地域の間で均一には実施されておらず、介入が存在しても、種の状態の大幅な改善につながった例はまれである。世界の陸上の絶滅危惧種の58%は、保全介入が明らかに不足しているか全く存在しないことが明らかになった。そうした種が本当に軽視されているのか、あるいはそれらを回復させる取り組みが主要な保全データベースに含まれていないのかは、判断することができなかった。実際に軽視されている場合、より的を絞った活動をより多く行わない限り、世界の多くの絶滅危惧種の展望は厳しいものとなるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度