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物性物理学:マグノンを超高速変換するプラットフォームとしての傾斜スピン秩序
Nature 630, 8016 doi: 10.1038/s41586-024-07448-3
従来、磁性固体は、2つの主要なクラス、つまり、平行なスピン秩序を伴う強磁性体と、反平行なスピン秩序を伴う反強磁性体に分けられる。通常、反強磁性体は磁化がゼロであるが、中には強いスピン–軌道相互作用に起因してさらなる反対称スピン–スピン相互作用が生じる結果、スピンの傾斜によって正味の磁化を生じさせるものがある。こうした傾斜反強磁性体は、反強磁性秩序と、強磁性体に典型的な現象を兼ね備えており、スピントロニクスやマグノニクスに大きな可能性を持つ。このように、こうした傾斜反強磁性体は、交代磁性体と称される最近提唱された新たなクラスの磁性体と密接に関連したものとすることができる。交代磁性体は、強い磁気光学効果、テラヘルツ周波数のスピンダイナミクス、カイラルスピン波に対する縮退解除(すなわち、傾斜反強磁性体に存在する効果の全て)を持つと予想されている。今回我々は、これらの他に例を見ない現象を利用することによって、マグノニクスに向けた傾斜スピン秩序の新たな機能性を実証するとともに、これにより、超高速レーザーパルスによって活性化される非線形マグノン–マグノン相互作用を使用して、ブリルアンゾーンの中心にあるマグノンを伝播マグノンに変換する機構が促進されることを示す。理論解析に裏付けられた我々の実験結果は、この機構がスピン傾斜によって可能になることを示している。

