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化学工学:リグニンの選択的アリール化によるバイオマスの分別と無害なビスフェノールの生成

Nature 630, 8016 doi: 10.1038/s41586-024-07446-5

リグノセルロースは、主に疎水性のリグニンと親水性の多糖高分子からなり、グリーンバイオリファイナリーに不可欠な炭素資源に寄与している。リグニンは、化学処理すると、下流のプロセスを妨害するような有害な分子内架橋や分子間架橋に起因して、その価値が損なわれてしまう。現在の高付加価値化のパラダイムは、リグニンの脆弱な部分の保護または安定化によって、縮合と呼ばれる新たなC–C結合形成を回避することを目指している。フェノール系添加剤の導入を通してバイオマス利用を促進する取り組みはあるものの、リグニンと糖類の両方を高付加価値化して高価値生成物を得るためにリグニンの縮合傾向を利用した例はまだ確認されていない。今回我々は、高求核性のリグニン由来フェノール類を用いた触媒的アリール化経路においてC–C結合形成を誘導することにより、この傾向を活用した。選択的に縮合したリグニンは、その顕著な開裂性β-エーテルユニットを維持しつつ、ほぼ定量的収率で単離され、アリール転位と移動水素化を伴うタンデム触媒プロセスで開裂できる。従って、木材中のリグニンは無害なビスフェノール類(34~48 wt%)に変換され、これが化石ベースのビスフェノールに代わる性能面で有利な代替ビスフェノールとなる。セルロースから脱リグニン化されたパルプと、キシラン由来のキシロースが共に、織物繊維や再生可能化学品向けに生成される。今回の縮合駆動型戦略は、有用なプラットフォーム化学品・材料を目指すモノフェノール重視の他の有望なアプローチを補完する重要な進歩であり、全体的なバイオマス高付加価値化に役立つ。

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