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構造生物学:TRPM4のリガンド認識とゲート開閉は生理的温度により駆動される
Nature 630, 8016 doi: 10.1038/s41586-024-07436-7
温度は高分子の機能に大きく影響し、特に温度感受性のタンパク質ではそれが著しい。しかし、通常は非生理的な温度で行われる生物物理学の研究ではこの影響が見落とされることがよくあり、機能的、また薬理学的に不正確な知見につながりかねない。今回我々は、Ca2+によって活性化される温度感受性イオンチャネルTRPM4の構造と機能に見られる温度依存性の変化を実証する。生理的温度で調製されたTRPM4を、単粒子クライオ電子顕微鏡法を用いて調べることによって、我々はより低い温度で観察されたコンホメーションとは異なる、「温かい温度範囲」で見られるコンホメーションを特定した。このコンホメーションは、細胞内ドメイン中の温度依存性のCa2+結合部位によって生じ、生理的状況下でのTRPM4機能に必須である。我々は、デカバナジン酸(正の調節因子)やATP(阻害剤)のようなリガンドが、生理的温度ではTRPM4のさまざまな部位に低温の場合よりも多数結合し、これらの部位が確かに機能に関わっていることを実証した。さらに、生理的温度でのさまざまな機能状態について、構造のスナップショットを得ることによってTRPM4のゲート開閉機構を解明し、より低い温度では見られなかったチャネル開口状態を明らかにした。我々の研究によって、温度依存性のリガンド認識とイオンチャネル調節の一例が明らかになり、生理的温度で高分子研究を行うことの重要性が明確になった。今回の研究はまた、温度感受性のTRPMチャネルが温度変化を感知する仕組みを解明するための分子的枠組み候補を提示するものである。

