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微生物学:アンモニアを酸化する海洋性アーキアでは膜を持たないチャネルが陽イオンをふるい分ける

Nature 630, 8015 doi: 10.1038/s41586-024-07462-5

Nitrosopumilus maritimusはアンモニアを酸化するアーキアで、全球の窒素循環にとって非常に重要である。窒素酸化の極めて重要な段階の1つが、海洋環境では希薄なアンモニウムイオンを細胞表面で捕捉し、次いでN. maritimusの細胞膜へとチャネルを介して運ぶ過程である。今回我々は、クライオ電子線トモグラフィーと複数細胞のサブトモグラム平均化を使って、この過程を担う分子装置の構造を、表面層(S層)を含めて明らかにした。さらに、得られたアンモニウム結合性S層アレイのin situ構造を単粒子クライオ電子顕微鏡構造で補完して、免疫グロブリンを多く含み、グリカンで修飾されたこのS層の詳細な特徴が明らかになった。生化学解析によって、この細胞表面はアンモニアを強く結合していて、アンモニアが失われるのはS層の分解が起こった後であることが明らかになった。高感度のバイオインフォマティクス解析によって、アミノ酸配列や構造的特徴が保存されている多くのアンモニア酸化アーキアで同じようなS層が見つかった。また、アンモニアを多く含む試料の分子シミュレーションと構造決定によってS層の陽イオン結合特性を調べることができ、S層の細胞に面した側にアンモニアイオンが濃縮され、これが細胞膜上で多数のチャネルを持つ効率の良い篩として働く仕組みが明らかにされた。このin situ構造研究によって、アンモニアの結合とチャネルを介する輸送という、窒素循環の基盤となる多くの海洋微生物に共通していて、生物地球化学的に極めて重要な過程が詳細に解明された。

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