社会科学:企業は消費者の反発にもかかわらずオンラインの誤情報に意図せず資金を提供している
Nature 630, 8015 doi: 10.1038/s41586-024-07404-1
広告収入を得るという経済的動機が、オンラインの誤情報生成に中心的な役割を果たしていると広く推測されてきた。誤情報を減らすことを目的とした研究は、これまでのところユーザーレベルでの介入に重点を置いており、どうすれば誤情報の供給そのものの抑制ができるかについては、あまり重点が置かれていない。本論文で我々は、オンラインの誤情報の大部分がいかに広告を財源としているかを明らかにし、誤情報への資金提供が関係企業にどのような影響を与えるかを検証して、誤情報への資金提供を減らすための介入法について概説する。我々はまず、誤情報を公開しているウェブサイト上での広告掲載は、さまざまな業界の企業で広く見られ、アルゴリズムによってウェブ全体に広告を配信するデジタル広告プラットフォームによって増幅されることを見いだした。情報提供実験を用いたところ、誤情報を公開しているウェブサイトに広告を掲載する企業は、その消費者から大きな反発を受ける可能性があることが分かった。関連する広告主へのこうした反発が考えられるにもかかわらず、誤情報の収益化が続いている理由を調べるために、我々は企業の意思決定者を対象に調査を実施した。その結果、ほとんどの意思決定者は、自社の広告が誤情報を公開しているウェブサイトに掲載されていることに気付いていないが、そうした状況の回避を強く望んでいることが分かった。また、誤情報への資金提供に自社が果たしている役割について気付いていない、あるいは確信がない意思決定者に、プラットフォームが誤情報ウェブサイト上での広告掲載をいかに増幅させているかについて知らせると、誤情報への資金提供を減らすためのプラットフォームベースの解決策への要望が高まった。さらに我々は、誤情報の公開に対する経済的インセンティブを減らし、オンラインの誤情報供給に対抗するための、低コストでスケーラブルな情報ベースの介入法を明らかにする。

