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構造生物学:5-メトキシトリプタミンの構造薬理学的性質と治療的有効性

Nature 630, 8015 doi: 10.1038/s41586-024-07403-2

リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)やシロシビンのような幻覚物質は、さまざまな神経精神疾患の治療に使える可能性がある。これらの化合物は、その幻覚誘発効果や治療効果を、セロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン、5-HT)受容体である5-HT2Aを介して及ぼすと考えられている。しかし、5-HT1Aはまた、トリプタミン系幻覚剤、特にコロラドリバーヒキガエル(Incilius alvarius)の毒に含まれる幻覚剤である5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)の作用効果の一部に関わっている。5-HT1Aは治療標的であることが実証されているが、幻覚剤が5-HT1Aと結合する仕組みとこの受容体がどのような影響を仲介するのかについてはほとんど分かっていない。今回我々は、5-HT1Aの5つのクライオ電子顕微鏡構造と系統立った医薬品化学的研究、受容体での変異誘発実験とマウスでの行動実験により、5-MeO-DMTの薬理学的性質の分子基盤の位置付けを行った。5-HT1Aと5-HT2Aの両方について行った5-メトキシトリプタミンの構造と活性の関係解析から、5-HT1Aのシグナル伝達力や有効性、選択性の分子的決定因子の特徴付けが可能になった。さらに、5-MeO-DMTや汎セロトニンアゴニストであるLSDの類似体群、また臨床使用されている5-HT1Aアゴニストについて、構造的相互作用とin vitroでの薬理学性質を比較した。5-HT1Aに選択的に働く5-MeO-DMT類似体は、幻覚剤が引き起こすのに似た影響を欠いている一方で、うつ病モデルである社会的敗北負荷動物では抗不安薬あるいは抗うつ薬様の活性が維持されていることが分かった。我々の研究によって5-HT1Aを標的とする幻覚剤や治療薬の分子的性質が明らかになり、これは神経精神疾患に対する新規な薬剤の将来の開発を促進するだろう。

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