Article
材料化学:多孔性の等網目状非金属有機構造体
Nature 630, 8015 doi: 10.1038/s41586-024-07353-9
金属有機構造体(MOF)は、金属ノードと有機リンカーのプログラムされた集合によって構築される有用な合成材料である。MOFの成功は、構造的に類似した構造体群を予測可能な方法で構築できる等網目構造の原理に由来している。この原理は、方向性配位共有結合に依拠して、構造体の幾何形状を規定している。しかし、等網目構造戦略は、分子間イオン結合の方向性がもっと低い他の一般的な結晶性固体(例えば有機塩)には使えない。今回我々は、化学的知識を計算による結晶構造予測(CSP)と組み合わせて、金属を含有しない多孔性ハロゲン化有機アンモニウム塩を設計できることを示す。こうした塩構造体におけるノードは、材料を特異的に結晶化するよう誘導する密に充填されたイオン性クラスターであり、これは、予測された格子エネルギーランドスケープにおける低エネルギーで低密度の等網目構造の明確なスパイクの存在によって実証された。こうしたエネルギーランドスケープによって、先験的に予測できるチャネルサイズ、機能性、幾何形状を持つ熱力学的に安定な多孔性塩構造体を形成する、陽イオンと陰イオンの組み合わせの選択が可能になる。こうした多孔性塩には、大半のMOFの分子ゲスト吸着量を超える量の分子ゲスト(例えばヨウ素)を吸着するものもあり、これは、放射性ヨウ素の捕捉などの応用に役立つ可能性がある。より一般的には、こうした塩の合成はスケーラブルで、関与するのは単純な酸塩基中和反応であり、今回の戦略によって、高いイオン電荷密度と永続的多孔性を併せ持つ非金属有機構造体群の創成が可能になる。

