イメージング:個々の溶液相分子の無標識検出とプロファイリング
Nature 629, 8014 doi: 10.1038/s41586-024-07370-8
大半の化学的過程や生物学的過程は溶液中で起こり、そこでは、コンホメーションのダイナミクスや錯体形成が挙動や機能の基礎となる。単一分子法は、分子の多様性の分解に比類なく適しており、新しい無標識法は単一分子測定の力を一新させている。溶液中の分子のコンホメーションの詳細を明らかにできる無標識単一分子法は、かつてないほど細部の新しい微視的視点を可能にすると思われる。今回我々は、高フィネスのファイバーベース・ファブリーペロー型マイクロ共振器において増強された光–分子相互作用を用いて、1.2 kDaという小さな個々の生体分子(アミノ酸10個からなるペプチド)を、これらの分子が無標識で溶液中で自由拡散している状態でも、100以上の信号対雑音比(SNR)で検出した。今回の方法では、2D強度プロファイルと時間的プロファイルが得られ、混合試料中の部分集団の区別が可能になる。注目すべきことに、我々は、通過時間と分子半径の間に線形関係を観測し、拡散と溶液相コンホメーションに関する極めて重要な情報を収集できる可能性を明らかにした。さらに、分子量と組成が同一だがコンホメーションが異なる生体分子異性体の混合物も分解できた。検出は、新しい分子速度フィルター窓の創成と動的な熱的プライミング機構に基づいており、これらは、光学的ダイナミクスと熱的ダイナミクスの間の相互影響、およびPound–Drever–Hall(PDH)共振器ロッキングを利用して、分子運動を明らかにすると同時に環境雑音をも抑制する。分子のコンホメーション、多様性、ダイナミクスを明らかにする新しいin vitro方法によって、生命科学や化学における幅広い応用可能性が見いだされる可能性がある。

