健康科学:全球規模の変化を駆動する要因と感染症のリスクに関するメタ解析
Nature 629, 8013 doi: 10.1038/s41586-024-07380-6
人為起源の変化は新興感染症の増加に寄与しており、こうした感染症は社会経済的、環境的および生態学的要因と著しく相関している。さまざまな研究によって、感染症のリスクは、生物多様性の変化、気候変動、化学汚染、景観の変化、種の導入によって変化することが示されている。しかし、全球規模の変化を駆動する要因のうち最も疾患を増加させるのはどれで、また、それがどのような状況で起こるのかは、まだよく分かっていない。今回我々は、植物、動物、ヒトの宿主を含む1497組の宿主と寄生体の組み合わせにわたる、全球規模の変化の駆動要因に対する感染症の応答の2938件の観測結果を含む文献から、データセットを収集した。その結果、生物多様性の喪失、化学汚染、気候変動、外来種が、疾患関連のエンドポイント、すなわち害の増加と関連しているが、都市化は疾患エンドポイントの減少と関連していることが見いだされた。自然の生物多様性の勾配、森林伐採、森林の分断化は、疾患の駆動要因としての重要性は比較的低く、特異であった。全体として、これらの結果はヒト疾患とヒト以外の疾患にわたって一貫していた。それにもかかわらず、疾患に対する全球規模の変化の駆動要因の状況依存効果は、共通していることが見いだされた。今回のメタ解析によって明らかになった知見は、疾患管理の目標を定め、疾患を増加させる全球規模の変化の駆動要因の監視に取り組むのに役立つはずである。具体的には、温室効果ガスの排出を削減し、生態系の健全性を管理し、生物侵入と生物多様性の喪失を防ぐことは、特に健康の社会的決定要因や経済的決定要因の改善と組み合わせれば、植物、動物、ヒトの疾患の負担を軽減するのに役立つ可能性がある。

