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進化学:科レベルのゲノムから明らかになった鳥類進化の複雑さ
Nature 629, 8013 doi: 10.1038/s41586-024-07323-1
鳥類の主要な系統間の関係については、過去数十年にわたる多大な努力にもかかわらず、明確な解決策がないまま依然として激しい議論が続いている。こうした見解の相違は、標本種の多様性、系統発生学的な方法、ゲノム領域の選択に起因するとされている。今回我々は、この問題に取り組むために、鳥類の218科に属する363種(全体の92%)のゲノムを解析した。遺伝子間領域と合祖に基づく方法を用いることにより、十分な裏付けはあるが顕著な不一致も見られる系統樹が得られた。この系統樹から、新鳥上目が、白亜紀–古第三紀境界あるいはその近くで急速な放散を経験したことが確認された。位置付けが難しい節(ノード)を解明するには、広範なタクソンの標本抽出よりも十分な数の座位の方が効果的であった。残りの決定が難しいノードには、極端なDNA組成、さまざまな置換率、不完全な系統分類、太古の雑種形成などの複雑な進化的事象のために、モデル化が困難な種が関わっていた。ゲノムのさまざまな領域の影響を評価したところ、ゲノム全体にわたって不均一性が高いことが示された。有効個体群サイズ、置換率、相対的な脳サイズは、白亜紀–古第三紀の絶滅事象後に急速に増大したことが分かり、新たな生態学的機会が現生鳥類の多様化を促進したという仮説が裏付けられた。結果として得られた系統発生学的な推定は、現生鳥類の急速な放散について新たな洞察をもたらすとともに、今後の比較研究のための豊富なタクソンからなる基盤となる系統樹(backbone tree)を示している。

