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量子物理学:ビット反転時間が10秒を超える猫キュービットの量子制御

Nature 629, 8013 doi: 10.1038/s41586-024-07294-3

量子ビット(キュービット)は、その環境との制御されない相互作用の結果として、いくつかのタイプの誤りを起こしやすい。こうした誤りを訂正する一般的な戦略は、ハードウエアの大きなオーバーヘッドを伴うキュービットのアーキテクチャーに基づいている。可能な解決策の1つは、ある種の誤りに対して本質的に保護されていて、残りの誤りを訂正するのに必要なオーバーヘッドが大幅に少なくなるキュービットを構築することである。しかし、この戦略は、キュービットのいかなる量子的操作も、注意深く設計された保護を破ってはならないという条件に依拠している。猫キュービットと呼ばれるタイプのキュービットは、量子力学系の準安定状態の多様体に符号化されており、これによって、ビット反転に対して連続的かつ自律的な保護が得られる。今回我々は、超伝導回路実験において、ビット反転時間が10秒を超える猫キュービットを実装した。これは、これまでに報告された猫キュービットの実装に比べて4桁の改善である。我々は、量子重ね合わせ状態の生成と画像化を行い、490 nsを超える位相反転時間を測定した。最も重要なのは、ビット反転保護を破らずに、こうした量子重ね合わせの位相を制御したことである。今回の実験は、量子制御と固有のビット反転保護の前例のないレベルでの両立を実証し、将来の量子技術のための動的キュービットの実現可能性を示している。

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