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無機化学:溶液中におけるプロメチウム錯体の観測

Nature 629, 8013 doi: 10.1038/s41586-024-07267-6

ランタノイド系の希土類金属は現代技術の至る所で使われているが、入手困難な高放射性ランタノイド元素である61番元素プロメチウム(Pm)の化学についてほとんど分かっていない。Pmは、その重要性にもかかわらず、ランタノイドの実験的研究から抜け落ちていることが目立っている。そのため、一般化学の教科書で引用される周期表の基本的特徴である、いわゆるランタノイド収縮現象の十分な理解が阻まれている。今回我々は、新たに合成したジグリコールアミド有機配位子による、147Pm放射性核種(半減期2.62年)の水溶液中での安定なキレート化を実証する。キレート化の結果として生成されたホモレプティックなPmIII錯体を、シンクロトロンX線吸収分光法と量子化学計算を用いて調べ、プロメチウムの配位構造と結合距離を定めた。こうした基本的知見によって、等構造ランタノイド錯体一式の完全な構造研究が可能になり、最終的には、実験的観測だけに基づいて溶液中のランタノイド収縮を捉えることができる。我々の結果は、ランタノイド系列の初めの方で結合の短縮が加速されることを示しており、これは、ジグリコールアミド類によって示される分離傾向と相関付けることができる。水性環境における放射性PmIII錯体の特性評価によって、ランタノイド内の挙動とfブロック元素の化学と分離に関する我々の理解が深まる。

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