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がん:がん治療のためのがん発生性RAS-GTPと野生型RAS-GTPの同時阻害

Nature 629, 8013 doi: 10.1038/s41586-024-07205-6

RASがん遺伝子(KRASに加えてNRASHRASを含む)は、がんで変異していることが最も多い遺伝子群に含まれ、よく見られるドライバー変異は、コドン12、13および61に生じる。KRAS(G12C)がんタンパク質に対する小分子阻害剤は、複数のタイプのがん患者で臨床効果が実証されており、非小細胞肺がんの治療法として薬事承認されている。しかし、KRASG12C変異は、KRASが変異しているがんの15%程度を占めているにすぎず、他のよく見られるKRAS変異を持つ腫瘍患者の大部分に対しては、承認されたKRAS阻害剤がない。本論文で我々は、可逆的な三者複合体であるRAS阻害剤RMC-7977について述べる。RMC-7977は、KRAS、NRAS、HRASの変異型バリアントと野生型バリアントの両方の活性化状態に対して広域活性を持つ、RAS(ON)多重選択的阻害剤である。前臨床では、RMC-7977はさまざまなRAS遺伝子型を持つRAS依存性腫瘍、特にKRASコドン12変異(KRASG12X)を有するがんモデルに対して強力な活性を示した。RMC-7977による治療は腫瘍を退縮させ、多様なRAS依存性がんの前臨床モデルで良好な忍容性が見られた。さらに、RMC-7977はRAS経路のシグナル伝達を回復させることで、KRAS(G12C)阻害剤抵抗性のKRASG12Cがんモデルの増殖を阻害した。従って、RAS(ON)多重選択的阻害剤は、複数のがん発生性および野生型のRASアイソフォームを標的とすることができ、必要な臨床治療薬がまだ見つかっていない広範囲にわたるRAS依存性がんを治療できる可能性がある。同類のRAS(ON)多重選択的阻害剤RMC-6236は現在、KRAS変異型固形腫瘍患者で臨床評価中である(ClinicalTrials.gov登録番号:NCT05379985)。

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