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量子シミュレーション:運動論的にフラストレートしたハバード系におけるスピンポーラロンの直接画像化
Nature 629, 8011 doi: 10.1038/s41586-024-07356-6
量子多体系における準粒子の出現は、多くの強相互作用物質における豊かな現象の根底にある。ドープされたモット絶縁体という状況では、磁気ポーラロンは、通常はドープされた電荷キャリアの運動エネルギーと超交換スピン相互作用の間の相互影響から生じる準粒子である。しかし、運動論的にフラストレートした格子では、超交換結合がない場合であっても、遍歴スピンポーラロン(ドーパントとスピンフリップの結合状態)が理論的に予測されている。運動論的磁性の理論において重要な役割を担っているにもかかわらず、こうしたポーラロンの微視的な観測は行われていない。今回我々は、極低温原子を用いて実現された三角格子ハバード系において遍歴スピンポーラロンを直接画像化し、正孔ドーパントの局所環境における反強磁性相関の増強を明らかにした。これとは対照的に、電荷ドーパントの周りには強磁性相関が見いだされた。これは、観測が困難であった長岡効果の現れである。我々は、相互作用やドーピングとのこうした相関の発展を調べ、高次相関関数を用いて、超交換機構と運動論的機構の相対的な寄与をさらに解明した。高温での遍歴スピンポーラロンのロバスト性は、フラストレートした系における正孔対形成と超伝導に関する潜在的な機構を探る道を開く。さらに今回の成果は、三角格子モアレ物質における関連した現象に関する微視的な知見を与える。

