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がん:MSIがんで合成致死性を示すWRN阻害剤HRO761の発見
Nature 629, 8011 doi: 10.1038/s41586-024-07350-y
ウェルナー症候群RecQヘリカーゼWRNは、複数の遺伝学的スクリーニングにより、マイクロサテライト不安定性(MSI)を持つがん細胞における合成致死の標的であることが明らかにされている。免疫チェックポイント阻害剤による治療は進展しているものの、MSIがんの治療に対するニーズは満たされていない。今回我々は、革新的なヒット探索とリード最適化戦略を通じて見つかった、臨床段階のWRNヘリカーゼ阻害剤であるHRO761について、その構造学的特性、生化学的特性、細胞学的特性、薬理学的特性を報告する。HRO761は強力かつ選択的で、アロステリックなWRN阻害剤であり、D1ヘリカーゼドメインとD2ヘリカーゼドメインの境界面に結合して、WRNを不活性なコンホメーションに固定する。HRO761による薬理学的阻害は、WRNの遺伝的抑制で観察される表現型を再現し、MSI細胞選択的にp53非依存的な様式でDNA損傷と腫瘍細胞増殖の阻害を引き起こした。さらにHRO761は、MSI細胞ではWRNの分解を引き起こしたが、マイクロサテライト安定細胞ではこの分解は引き起こさなかった。HRO761の経口投与は、MSI細胞および患者由来の異種移植モデルにおいて、in vivoでのDNA損傷誘導や腫瘍増殖阻害を用量依存的にもたらした。これらの知見は、MSIがんの治療標的としてのWRNについて、前臨床の薬理学的妥当性を示している。HRO761の臨床試験(NCT05838768)は現在進行中であり、MSI大腸がん患者や他のMSI固形腫瘍患者で安全性や忍容性、予備的な抗腫瘍活性の評価が行われている。

