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認知神経科学:ヒト海馬ニューロンでの位相–振幅結合による作業記憶の制御
Nature 629, 8011 doi: 10.1038/s41586-024-07309-z
作業記憶における情報の保持は、認知制御に依存してメモ記録特異的な持続的活動を干渉から保護するという、要求の多い過程である。しかし、認知制御がどのように作業記憶の保存を調節しているかは明らかになっていない。今回我々は、前頭葉の制御と海馬の持続活動の間の相互作用が、シータ波–ガンマ波の位相–振幅結合(TG-PAC)によって協調されていることを示す。我々は、脳神経外科手術を受けた患者で、作業記憶中に複数の項目を保持している際に、内側側頭葉と前頭葉から単一ニューロン記録を行った。海馬では、TG-PACは作業記憶の負荷と品質を示していた。我々は、シータ波の位相とガンマ波の振幅が非線形的に相互作用する場合に、選択的にスパイク発火する細胞を特定した。これらのPACニューロンのスパイク発火のタイミングは、認知制御の要求が高いときに前頭葉のシータ波活動と協調していた。海馬で持続的に活動するニューロンにノイズ相関を導入すると、PACニューロンは集団符号の形状を成形した。これによって、作業記憶の内容のより忠実度の高い表現が作られ、行動の改善につながった。今回の結果は、前頭葉による制御が作業記憶の内容の保存関連領域内での保持を調整するという、作業記憶の多成分的な構造を支持している。この枠組みの中で、海馬のTG-PACは、認知制御と作業記憶の保存を脳の多領域にわたって統合しており、感覚が駆動する過程に対するトップダウン制御に関する有力な機構が示唆された。

