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原子物理学:原子核時計のための三価229Thアイソマーのレーザー分光
Nature 629, 8010 doi: 10.1038/s41586-024-07296-1
トリウム229(229Th)は、基底状態(229gTh)と低位アイソマー(229mTh)の間に光学原子核遷移を持つ。この原子核遷移周波数を用いる原子核時計は、周囲電磁場の影響を受けにくいことから、既存の原子時計を凌駕すると期待されている。他の価数状態とは対照的に、三価229Th(229Th3+)は、レーザー冷却、レーザー誘起蛍光検出、イオン状態の制御を可能にする閉じた電子遷移を持つので、高精度の原子核時計に最も適している。原子核基底状態の229Th3+のレーザー分光研究は行われているが、原子核時計遷移の固有線幅を特定するのに不可欠な原子核崩壊寿命を含む、229mTh3+の特性はまだ分かっていない。今回我々は、ウラン233(233U)源から連続的に供給された229mTh3+を捕獲し、原子核状態選択的なレーザー分光法によって、孤立した229mTh3+の原子核崩壊半減期を1400−300+600秒と決定したことを報告する。さらに我々は、229mTh3+の超微細構造定数を決定することによって、微細構造定数の変化に対する229Th原子核時計の感度の不確かさを4分の1に低減させた。今回の結果から、229Th3+原子核時計と新しい物理の探索におけるその応用に重要なパラメーターが得られる。

