Article

炎症:代謝の再配線はグルココルチコイドの抗炎症効果を促進する

Nature 629, 8010 doi: 10.1038/s41586-024-07282-7

グルココルチコイドは、広範な免疫介在性炎症性疾患の治療で主要な柱となっている。しかし、その抗炎症作用機序の基盤となる分子機構は、完全には理解されていない。本論文で我々は、グルココルチコイドの抗炎症特性にはマクロファージでのミトコンドリア代謝の再プログラム化が関係しており、その結果、抗炎症性代謝物であるイタコン酸の産生の増加と持続が起こり、炎症応答が阻害されることを示す。グルココルチコイド受容体はピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の一部と相互作用し、それによってグルココルチコイドは活性上昇を誘導するが、通常は炎症性であるマクロファージにおいてトリカルボン酸(TCA)回路の促進および逆説的なフラックスを可能にする。このグルココルチコイドを介したミトコンドリア代謝の再配線は、炎症応答を通してTCA回路依存的なイタコン酸産生を増強し、それによって炎症性サイトカインの産生に干渉する。対照的に、TCA回路の人為的な阻害や、イタコン酸合成の律速酵素であるアコニット酸デカルボキシラーゼ1の遺伝的欠損は、グルココルチコイドの抗炎症効果に干渉し、その結果、さまざまな免疫介在性炎症性疾患の前臨床モデルで、その有益な効果が失われた。我々の知見は、グルココルチコイドの抗炎症特性の重要な手掛かりとなり、新たなクラスの抗炎症薬設計に大きな意義を持つ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度