Article

分子生物学:RNAポリメラーゼIIの働きのインテグレーターに依存した終結の構造基盤

Nature 629, 8010 doi: 10.1038/s41586-024-07269-4

インテグレーター複合体は、遺伝子のプロモーター近接領域でRNAポリメラーゼII(Pol II)の働きを終結させることができる。以前の研究によって、インテグレーターが停止中の伸長複合体(Pol II、DRB感受性誘導因子〔DSIF〕と負の伸長因子〔NELF〕からなる)に結合する仕組みと、生成したRNA転写産物を切断する仕組みが明らかになっているが、インテグレーターがDNA鋳型からPol IIを取り除く仕組みは説明されていない。今回我々は、完全なインテグレーター–PP2A複合体について、異なる機能状態にある3つのクライオ電子顕微鏡構造を示す。終結前複合体の構造から、これまで解像されていなかったサソリの尾の形のINTS10–INTS13–INTS14–INTS15モジュールが、その「針」部分をDSIFのDNAクランプを開くのに使って終結を促進している可能性が明らかになった。終結後複合体の構造からは、以前に解像されていなかったサブユニットINTS3とそれに結合しているSOSS(sensor of single-stranded DNA complex)因子が、終結後にPol IIがインテグレーターに再結合するのを防止していることが示された。不活性な閉じたコンホメーション状態にある遊離のインテグレーター–PP2A複合体の構造からは、INTS6がPP2Aホスファターゼの活性部位をふさいでいることが明らかになった。これらの結果から、インテグレーターが大規模な再配置を含む3つの段階を経て引き起こすPol II転写終結のモデルがもたらされる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度