Article

免疫療法:FOXO1はCAR T細胞の幹細胞性、代謝適応度、有効性を高める

Nature 629, 8010 doi: 10.1038/s41586-024-07242-1

キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液悪性腫瘍の治療に変革をもたらしたが、固形腫瘍に対するCAR T細胞療法の有効性は限定的である。それにはいくつかの要因があり、免疫抑制性の腫瘍微小環境が、持続性が低く代謝的に機能不全のT細胞を生み出すことなどが挙げられる。臨床で使われている抗CD19 CAR T細胞の解析では、良好な治療転帰は、より「幹細胞様」の表現型とミトコンドリア量の増加に関連していることが示されている。そこで我々は、固形腫瘍に対するCAR T細胞の適応度と有効性を増強し得る転写因子の特定を試みた。本論文で我々は、FOXO1の過剰発現により、健康なヒトドナーあるいは患者に由来するCAR T細胞で幹細胞様表現型が促進され、これがin vivoでのミトコンドリア適応度や持続性、治療有効性の向上と相関することを示す。従って、本研究により、有益な代謝表現型を遺伝学的に強化するための新たな工学的手法が明らかになった。この手法は、固形腫瘍に対するCAR T細胞の有効性を向上させるための高い応用可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度