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分子生物学:持久力運動トレーニングへのマルチオミクス応答の経時的動態

Nature 629, 8010 doi: 10.1038/s41586-023-06877-w

定期的な運動は全身の健康を増進し、疾患を予防するが、その根底にある分子機構は完全に解明されているわけではない。今回MoTrPAC(Molecular Transducers of Physical Activity Consortium)は、雌雄のドブネズミ(Rattus norvegicus)に8週間の持久力運動トレーニングを行わせ、全血、血漿、18の固形組織において、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボローム、リピドーム、ホスホプロテオーム、アセチルプロテオーム、ユビキチルプロテオーム、エピゲノム、イムノームについて経時的なプロファイリングを行った。その結果、19の組織、25の分子プラットフォーム、4のトレーニング時点にわたる9466のアッセイを網羅するデータの一覧が得られた。数千の共通する分子変化および組織特異的な分子変化が特定され、複数の組織で性差が見られた。経時的なマルチオミクス解析および多数の組織の解析により、持久力トレーニングに対して起こる免疫応答や代謝反応、ストレス応答、ミトコンドリア経路の広範な調節などの適応応答について、広範な生物学的手掛かりが明らかになった。多くの変化が、非アルコール性脂肪性肝疾患、炎症性腸疾患、心血管の健康、組織の損傷や回復など、ヒトの健康に関係していた。今回の研究で示されたデータや解析は、持久力トレーニングによる多数の組織での分子効果を理解・探索するための貴重な情報資源であり、公開リポジトリ(https://motrpac-data.org/)で提供されている。

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