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生物物理学:莢膜多糖の分泌についての分子レベルの考察
Nature 628, 8009 doi: 10.1038/s41586-024-07248-9
多くの共生細菌や病原菌で、細胞の境界領域は莢膜多糖(CPS)によって強化されている。CPSは、細胞内でABC輸送体に依存した生合成経路によって脂質アンカー上で合成され、サブユニットのKpsEやKpsDと結合したABC輸送体であるKpsMTによって細胞表層を通過して分泌される。今回我々は、構造研究および機能研究を行って、グラム陰性細菌でのCPS分泌に不可欠な段階を明らかにした。それにより、KpsMTは基質特異性が幅広く、その働きだけで細菌内膜を横切ってCPSを輸送するのに十分であることが明らかになり、さらに超高分解能蛍光顕微鏡を用いて、細胞表面の構造とCPS輸送の存在場所が決定された。6つの異なった状態にあるKpsMT–KpsE複合体のクライオ電子顕微鏡による解析から、ABC輸送体がKpsEによって囲い込まれていること、ATP加水分解の際にKpsMTの剛体的なコンホメーションの再構成が起こること、膜に露出した細長くて深いくぼみの内部は正電荷を帯びていて、そこで糖脂質が認識されることが明らかになった。in vivoでのCPS分泌アッセイによって、くぼみの内側を覆う塩基性残基の機能的重要性がはっきりした。総合すると、我々の結果から、ABC輸送体によるCPS分泌の分子モデルが示唆される。

