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神経科学:熱曝露時に脳幹–視床下部神経回路は摂食を低下させる

Nature 628, 8009 doi: 10.1038/s41586-024-07232-3

経験的な証拠から、熱への曝露により摂食が低下することが示唆されている。しかし、橋結合腕傍核(pontine parabrachial nucleus)内の一次熱覚ニューロンについてはかなり分かってきたにもかかわらず、感覚と代謝のモダリティー間の連合インターフェイスを形成する神経回路の構造や信号機構は分かっていない。タニサイト(tanycyte)は、第三脳室の壁に沿って存在し、脳実質と脳室系の間でホルモンやシグナル伝達分子を両方向的に輸送する特殊なタイプの細胞である。今回我々は、そのタニサイトが、急速な熱曝露で活性化し、その後の摂食の低下を起こすのに必要であることを示す。ウイルスを利用した遺伝子操作と回路マッピングにより、結合腕傍核の熱感受性グルタミン酸作動性ニューロンが、直接または二次性の視床下部ニューロンを介して、タニサイトを神経支配していることが示された。タニサイトでの熱依存的なFos発現は、タニサイトが血管内皮増殖因子A(VEGFA)などのシグナル伝達分子を生産する能力を示唆している。VEGFAは脳脊髄液中に放出されて全身的な作用を起こすのではなく、弓状核内のタニサイト脳実質突起に沿って放出される。するとVEGFAは、Flt1発現性でドーパミンとアグーチ関連ペプチド(Agrp)を持つニューロンの発火閾値を上げ、その結果、総和としての食欲低減出力を刺激する。実際、急速暑熱刺激でも、定温下でグルタミン酸作動性結合腕傍核ニューロンを化学遺伝学的に活性化しても、数時間に及ぶ摂食低下が起こり、この作用は、Vegfaの機能喪失に対しても、タニサイトからの小胞関連膜タンパク質2(VAMP2)依存的エキソサイトーシスの阻害に対しても感受性を示した。まとめると我々は、タニサイトが傍小脳脚核の感覚リレーを代謝コードの長期的な実行につなぐというマルチモーダルな神経回路を明らかにした。

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