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生物地球化学:脱芳香族化によって駆動される淡水有機物における複雑性の発生
Nature 628, 8009 doi: 10.1038/s41586-024-07210-9
溶存態有機物(DOM)は、最も複雑で動的かつ豊富な有機炭素源の1つであるが、その化学反応性はまだよく分かっていない。DOMの構造的特徴に関する知見が増えれば、全球炭素循環におけるその合成、ターンオーバー、処理に関する理解が深まる可能性がある。今回我々は、補完的多重度編集13C核磁気共鳴(NMR)スペクトルを用いて、4つの主なアマゾン川水系とスウェーデンの2つの中規模北方湖から採取したDOMの炭素骨格を構成する主要なサブ構造を定量化した。その結果、有機合成化学において天然物骨格の形成に広く用いられている酸化的脱芳香族化(ODA)という反応機構の一種がおそらく、適切なポリフェノール前駆体分子を豊富に含むDOMの処理時における構造的多様性発生の鍵となる駆動因であることが見いだされた。我々のデータは、1つの酸素原子と3つの炭素原子と結合した四面体第四級炭素(OCqC3ユニット)が非常に豊富なことを示唆している。こうしたユニットは、一般的な生体分子ではまれだが、リグニン由来やタンニン由来のポリフェノールのODAによって容易に生成される可能性がある。ODAによる(ポリ)フェノールの互変異性化によって、非平面シクロヘキサジエノンが形成され、これが直ちに並行して付加環化される。この組み合わせが、DOM処理の初期段階からのDOM化合物の構造的多様性の急増につながり、酸素化脂肪族構造が増加する。まとめると、我々は、ODAが、DOM分子の処理と新しい酸素化脂肪族分子の形成における複雑性加速のカギとなる反応機構であり、自然界においてよく見られる可能性があると提案する。

