生物工学:内在性の低分子RNA結合タンパク質を使ってプライム編集を改善する
Nature 628, 8008 doi: 10.1038/s41586-024-07259-6
プライム編集では、CRISPR–CasガイドRNAの3′末端に付加された鋳型配列の逆転写を介して、ゲノムの正確な修飾を可能にする。今回我々は、プライム編集の細胞内決定要因を明らかにするために、スケーラブルなプライム編集レポーターを開発してゲノム規模のCRISPR干渉スクリーニングを行った。このようなスクリーニングから、単一の因子、すなわち低分子RNAに結合するエキソヌクレアーゼ防御因子Laが、プライム編集の最も強力なメディエーターであることが明らかになった。さらに、Laはプライム編集の手法(PE2、PE3、PE4およびPE5)、編集のタイプ(置換、挿入および欠失)、内在する座位、また細胞のタイプに関わりなくプライム編集を促進するが、標準的な非伸長ガイドRNAに依存するゲノム編集手法に対する影響には一貫性がないことが明らかになった。これまでの研究から、LaはRNAポリメラーゼIII転写産物の3′末端のポリウリジン鎖に結合することが示されている。Laは、ポリウリジル化されたプライム編集ガイドRNA(pegRNA)の3′末端と機能的に相互作用することが分かった。これらの結果に基づいて、我々はLaのRNA結合N末端ドメインに融合させたプライムエディタータンパク質(PE7)を作製した。このエディターは、発現させたpegRNAや改変pegRNA(epegRNA)だけでなく、La結合用に最適化した合成pegRNAによるプライム編集も改善した。まとめると我々の結果は、プライム編集の構成要素が細胞環境と相互作用する仕組みについての重要な知見をもたらし、また、細胞環境内で外在性低分子RNAを安定化するための一般的な戦略を示唆している。

