古生物学:ジュラ紀のシュオテリウム類が示す、哺乳型類の最初期の歯の多様化
Nature 628, 8008 doi: 10.1038/s41586-024-07258-7
シュオテリウム類は、下顎臼歯において偽タロニッドがトリゴニッドの前方にある偽トリボスフェニック型の歯を有するジュラ紀の哺乳型類(mammaliaform)であり、この特徴は、タロニッドがトリゴニッドの後方にあるトリボスフェニック型のパターンを有する獣類哺乳類(有胎盤類および有袋類、それらの近縁種)とは対照的である。偽トリボスフェニック型の歯の起源はいまだ明らかにされておらず、シュオテリウム類の類縁関係や哺乳型類の初期進化に関する理解は進んでいない。本論文で我々は、2つの骨格標本に代表される、ジュラ紀の新たなシュオテリウム類について報告する。これらの標本には完全な偽トリボスフェニック型歯列があり、連続相同および歯の咬合関係性を用いて、歯の構造の再特定が可能になった。従来の見方とは異なり、我々の知見は、シュオテリウム類の歯の構造が梁歯類(ドコドン類)のものに対応させられることを示すとともに、梁歯類と他の哺乳型類の間の一部の歯の構造の相同性に関する主張を部分的に支持している。新たな証拠に基づく系統発生学的解析の結果、シュオテリウム類はトリボスフェニック型のオースクトリボスフェノン類(単孔類を含む)から除外され、梁歯類と共に、偽トリボスフェニック型の歯を特徴とする新たなクレード「梁歯型類(Docodontiformes)」に分類された。系統発生的には、梁歯型類と「全獣類(キューネオテリウム類、単孔類および獣類)」は、三錐歯類に特徴的な臼歯を持つモルガヌコドン(Morganucodon)様の祖先から、食物処理の効率化のために後方の歯を唇舌方向に拡大することによって別々に進化した。偽トリボスフェニック型のパターンは咬頭の半三角形化(semitriangulation)の段階を経た一方、トリボスフェニック型のパターンおよびその先行型は咬頭の三角形化(triangulation)の段階を経験した。この2つの異なる過程によって、哺乳型類の最初期の多様化を明示する複雑な歯の構造と咬合パターンが生じた。

