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神経科学:海馬歯状回スパイク中に切り替わる神経と行動の状態

Nature 628, 8008 doi: 10.1038/s41586-024-07192-8

別個な脳と行動の状態は、組織化された神経集団動態と関連しており、これらが、それぞれ特定の認知機能を果たすと考えられている。例えば、マウスにおいて、記憶の再生事象は、その個体が「オフライン」行動状態にある間に海馬鋭波リップルと呼ばれる集団的同期活動に際して起こり、これが記憶の固定や行動企図などの認知機構を可能にしている。しかし、こうした行動状態のさなかに、脳が外界と再連動し、現在の感覚情報へのアクセスを許したり、新規の記憶形成を促進したりするのはどのような仕組みによるのだろうか。本論文で我々は、海馬歯状回スパイクという、鋭波リップルと鋭波リップルの間に頻繁に発生するこれまであまり研究されてこなかった集団活動が、再連動の機構の基盤である可能性を示す。歯状回スパイクは、脳全体にわたる発火率の明らかな上昇と関連しており、主に高次のネットワークで観測され、短期間の覚醒と共役していることが分かった。歯状回スパイク中の海馬の場所符号化は、鋭波リップルに伴う記憶再生とは異なり、当該マウスの現在の空間位置と一致していた。さらに、歯状回スパイク中に神経活動を抑制すると、連想記憶の形成が妨げられた。従って、歯状回スパイクは独特な脳状態を表現し、移動運動を伴わない行動の中で記憶を支えるものであり、これによって、認知処理のレパートリーがこれまで考えられてきたオフライン機能以上に拡大された。

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