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免疫学:マクロファージのエフェロサイトーシス能は転写一時停止の解除を介して迅速に誘発される

Nature 628, 8007 doi: 10.1038/s41586-024-07172-y

発生や炎症、あるいは組織損傷の際には、マクロファージがアポトーシスを起こした複数の死細胞をエフェロサイトーシスによって連続的に飲み込んで処理し、組織の恒常性を維持する。死細胞の連続的な取り込みができるようにマクロファージが自身の転写を迅速に適応させる仕組みは、完全には解明されていない。転写の一時停止/解除は進化上保存されてきた機構で、RNAポリメラーゼ(Pol) IIは20~60ヌクレオチドの転写を開始し、次に数分から数時間一時停止した後に転写を再開して完全長のmRNAを作る。今回我々は、マクロファージが死細胞に出合うと、転写の一時停止/解除機構を使って数分以内に迅速な転写応答を引き起こすことを明らかにする。ヒトとマウスのマクロファージの場合、継続的にエフェロサイトーシスを行うためには、in vitroでもin vivoでもPol IIの一時停止/解除が必要なことが分かった。興味深いことに、Pol IIの一時停止/解除を阻害しても、Fc受容体を介したファゴサイトーシス、酵母の取り込み、細菌のファゴサイトーシスは妨げられなかった。3つのゲノミクス手法(Pro-seq〔precision nuclear run-on sequencing〕、RNA塩基配列解読、ATAC-seq〔assay for transposase-accessible chromatin using sequencing〕)を用いて、エフェロサイトーシスを行うマクロファージについてさまざまな時点で得られたデータを統合することにより、Pol IIの一時停止/解除が、選ばれた転写因子とその下流の標的遺伝子の発現を制御していることが明らかになった。一時停止/解除によって調節されていることが顕著な転写因子EGR3の作用機構を詳しく調べたところ、細胞骨格や死細胞の分解処理に関わる他のマクロファージ遺伝子が、EGR3に関連して再プログラミングされることが明らかになった。また、リソソームのプローブと新規な遺伝的蛍光レポーターを用いて、一時停止/解除がエフェロサイトーシスの際のファゴソームの酸性化に果たしている役割を明らかにした。さらに、egr3が欠失したゼブラフィッシュ胚由来のミクログリアでは、アポトーシスを起こしたニューロンのファゴサイトーシスが減少し、成熟中のファゴソームが少なくなることから、死細胞の分解処理に欠陥があることが裏付けられた。これらのデータを総合することにより、マクロファージは取り込んだアポトーシス細胞を効率よく分解処理し、連続的なエフェロサイトーシスを行うために、自身の転写プログラムを迅速に変化させる機構としてPol IIの一時停止/解除を使用していることが明らかになった。

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