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分子生物学:ヌクレオソーム読み取り装置のプロテオミクスプロファイリングによるクロマチン状態の解読
Nature 627, 8004 doi: 10.1038/s41586-024-07141-5
DNAとヒストン修飾は組み合わさって特徴的なパターンを作りだし、それによってゲノムの機能的領域の境界が定められる。個々の修飾の「読み取り装置(reader)」は多数が明らかにされているが、複合的な修飾シグネチャー、ヒストンバリアントとヌクレオソーム間のリンカーDNAからなるクロマチン状態が解釈される仕組みは、未解決の重要な問題である。今回我々は、プロモーター、エンハンサーおよびヘテロクロマチン状態を表す80種類以上の修飾されたジヌクレオソームとおよそ2000種類の核タンパク質との相互作用を、多次元プロテオミクス戦略を用いて系統的に解析した。複雑なヌクレオソーム結合プロファイルをデコンボリューションし、同時調節されるタンパク質のネットワーク、そしてタンパク質の誘引や排除を引き起こすヌクレオソームのそれぞれ独特な特徴を明らかにすることによって、我々はクロマチンの状態がクロマチン読み取り装置によって解読される仕組みを包括的に示した。そして、さまざまな特徴に対して大きく異なる結合応答があること、多くの因子が複数の特徴を認識すること、クロマチンへのタンパク質結合の調節ではヌクレオソーム修飾とリンカーDNAの両者がほぼ独立して作用することを明らかにした。我々のオンラインの情報資源である「Modification Atlas of Regulation by Chromatin States(MARCS)」は、今回の結果を利用してクロマチン状態によるゲノム調節の基本原理の発見を促進するための詳細な解析を行う手段となるだろう。

