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細胞生物学:CST–ポリメラーゼα-プライマーゼは第二のテロメア末端複製問題を解決する

Nature 627, 8004 doi: 10.1038/s41586-024-07137-1

テロメラーゼは、グアニン(G)の多いテロメア反復配列をテロメア3′末端に付加して、リーディング鎖のDNA合成の際にテロメアの3′オーバーハングが失われることによって起こるテロメア短縮(「末端複製問題」)を防いでいる。本論文で我々は、ラギング鎖のDNA合成によってCの多いテロメア反復鎖(C鎖)が不完全に複製されることが原因で生じる、第二のテロメア末端複製問題について報告する。この問題は、Ctc1–Stn1–Ten1に結合したポリメラーゼα-プライマーゼ(CST–Polα-プライマーゼ)によって行われるフィルイン合成によって解決される。in vitroでは、ラギング鎖のDNA複製のためのプライマー形成が3′オーバーハング上では起こらず、ラギング鎖合成は鋳型末端から26ヌクレオチド(nt)以上離れた約150 ntの領域内で停止する。このin vitroデータと符合するように、CST–Polα-プライマーゼを持たない細胞のラギング鎖末端のテロメアでは、細胞数が倍加するごとにテロメアのCCCTAA反復配列から50~60 ntが失われた。リーディング鎖末端のテロメアのC鎖は細胞数の倍加ごとに約100 nt短くなり、これは切除による3′オーバーハングの形成を反映している。CST–Polα-プライマーゼによるフィルイン合成のない状態で起こるC鎖の短縮の総量を測った結果は、不完全なラギング鎖合成の影響とリーディング鎖末端での5′切除による影響を合わせたものに一致した。これらの知見から、カノニカルなDNA複製によって生じるテロメア末端複製問題は2つあり、Gの多い鎖の維持にはテロメラーゼが、C鎖の維持にはCST–Polα-プライマーゼが必要であると結論される。

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