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免疫学:IL-10はスフィンゴ脂質代謝を抑制して炎症を抑える

Nature 627, 8004 doi: 10.1038/s41586-024-07098-5

インターロイキン10(IL-10)は、自然免疫細胞タイプの中で免疫細胞の活性化やサイトカイン産生を制限することのできる重要な抗炎症性サイトカインである。IL-10シグナル伝達が喪失すると、ヒトやマウスでは致死的な炎症性腸疾患(IBD)が引き起こされるが、IL-10シグナル伝達が炎症を抑制する正確な機構は明らかにされていない。本論文で我々は、飽和超長鎖(VLC)セラミドの増加が、IL-10欠損の特徴である炎症性遺伝子の発現上昇に重要であることを見いだした。従って、VLCセラミド産生を担う酵素であるセラミドシンターゼ2(Cers2にコードされる)の遺伝的欠失は、in vitroとin vivoの両方で、IL-10欠損に関連した炎症性遺伝子発現プログラムの増悪を制限した。飽和VLCセラミドの蓄積は、de novoの一価不飽和脂肪酸合成経路を介する代謝フラックスの減少によって調節された。IL-10シグナル伝達が欠損している細胞で、一価不飽和脂肪酸の利用能を回復させると、飽和VLCセラミドの産生および関連する炎症が制限された。機構としては、VLCセラミドを介した持続的な炎症が、免疫調節転写因子であるRELの持続的な活性に大きく依存していることが明らかとなった。まとめるとこれらのデータは、IL-10によって駆動される脂肪酸不飽和化プログラムが、VLCセラミドの蓄積やRELの異常活性化を再配線することを示している。これらの研究は、自然免疫細胞における脂肪酸恒常性は、病的な炎症を制御する重要な調節ノードとして働くという考えを裏付けており、VLC恒常性の「代謝的修正」が、IL-10がないことによって引き起こされる調節不全の炎症を正常化させる重要な戦略となり得ることを示唆している。

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