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化学生物学:分子内二価性接着剤による標的タンパク質の分解

Nature 627, 8002 doi: 10.1038/s41586-024-07089-6

標的タンパク質分解誘導は、E3ユビキチンリガーゼと標的タンパク質を誘導して接近させることにより、標的のユビキチン化とプロテアソームによる分解を促進するという薬理学手法である。この手法は、標的タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC;標的とE3リガーゼに個別に結合する2つの部分構造からなる二価性化合物)を利用するか、リガーゼあるいは標的のどちらかに結合する一価性の分子のりを利用するかの2通りのやり方がある。今回我々は、直交性遺伝子スクリーニングと生物物理学的特徴の解析、構造の再構築を行って、BRD2とBRD4に対する二価性分解剤(分子内二価性接着剤〔IBG〕と名付けた)の作用機構を詳しく調べ、これらが、PROTACのように標的とリガーゼをトランスに連結するのではなく、標的タンパク質の2つの隣接するドメインに同時にシス結合することを明らかにした。このコンホメーション変化が「のり」となってBRD4をE3リガーゼDCAF11もしくはDCAF16に結び付け、標的とリガーゼとの親和性を強化する。この化合物が存在せずに本来の親和性のままでは、BRD4の分解には至らない。BRD4–IBG1–DCAF16という三者複合体の構造に関する知見を手掛かりにして、低ピコモルで活性を示す改良型分解剤が合理的に設計できた。このように、タンパク質のドメインをシスに架橋してE3リガーゼとの表面の相補性を高め、ユビキチン化と分解を促進するという、標的タンパク質分解の新しい手法を見いだした。

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