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分子生物学:核の形態はループ押し出しプログラムによって作られる

Nature 627, 8002 doi: 10.1038/s41586-024-07086-9

好中球が、間質組織の狭い空間を移動するために、移動しやすい多形核という形態をとることはよく知られているが、多形核構造がどのようにして生じるのかはまだ解明されていない。今回我々は、好中球前駆細胞においてループ押し出し(モーターを原動力としてクロマチンを引き寄せてDNAループを形成する過程)を停止させると、多形核ゲノムの構築につながることを示す。具体的には、単核の好中球前駆細胞で、ループ押し出しの積み込み因子であるNIPBL(nipped-B-like protein)を急激に枯渇させると、馬蹄形、桿状、環状、過分葉状の核構造の構築が誘導され、核の体積が減少することが明らかになり、これは好中球の分化の際に観察される現象とよく似ている。NIPBLの枯渇はまた、細胞周期の停止を引き起こして、好中球特異的遺伝子プログラムを活性化し、トポロジカルドメインを越えた相互作用を消失させて、分化した好中球に似たクロマチン構造を作り出した。NIPBLを除去すると、好中球特異的なエンハンサーレパートリーや炎症性遺伝子プログラムに関連する遺伝子を含んだ巨大ループと染色体間ハブが増加した。これらの観察結果に基づくと、好中球前駆細胞ではループ押し出しプログラムによって細胞系譜特異的なクロマチン構造が作られ、これが、幾何学的に限定された分葉構造中への染色体の詰め込みを可能にしていると考えられる。今回のデータからはさらに、多形核構造を構築するための基本的枠組みが明らかになり、de novoな形の核を作製して、細胞密度の高い腫瘍形成環境中でのエフェクター細胞の移動を手助けする可能性も見えてきた。

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