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物性物理学:金属カゴメ強磁性体における異常電子

Nature 627, 8002 doi: 10.1038/s41586-024-07085-w

通常の金属は、明確に定まった「フェルミ」面内に電子液体を含んでおり、フェルミ面では電子があたかも相互作用していないかのように振る舞う。絶縁体や超伝導体などの全く新しい相への転移がないと、電子間相互作用によって、フェルミ準位と結合エネルギーの差の二次散乱が生じる。かねてからの謎は、特定の物質がこの「フェルミ液体」の記述に当てはまらないことである。共通の特徴は、運動エネルギーに比べて強い電子間相互作用である。この領域への経路の1つが、電子の運動エネルギーを低下させる特殊な格子である。ツイスト2層グラフェンはその一例であり、2 × 2超格子上で全てのコーナーサイトを取り除いた三角形・六角形タイリング格子(三角形「カゴメ」)にも、相互作用効果を増強させると思われる狭い電子バンドが存在し得る。今回我々は、強磁性カゴメ金属Fe3Sn2の非フェルミ液体的挙動を明らかにする、分光学的結果を報告する。ブリルアンゾーンの中心に3つのC3対称性の電子ポケットが見つかり、そのうちの2つは密度汎関数理論から予想されたものであった。3つ目の最も明瞭に定まるバンドは、他の2つのうちの1つが分かれることによって低温かつ低結合エネルギーで出現し、これは、フェルミ準位のすぐ上にあると予想される平坦バンドに起因して電子間相互作用が増強されたためである可能性が最も高い。今回の発見によって、平坦バンドが関与するこうした多体物理が、平坦バンドが格子の幾何学形状から生じるのか、強く局在した原子軌道から生じるのかに応じて、どのように異なり得るかというトピックが開かれる。

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