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動物行動学:ヒゲクジラ類の発音の根底にある進化的新規性

Nature 627, 8002 doi: 10.1038/s41586-024-07080-1

ヒゲクジラ類は、広大で見通しの悪い海洋環境において、複雑な社会的行動や繁殖行動を仲介するのに発声を用いている。絶対的な水生の生活様式への適応には、喉頭の特殊化など、効率的に音を発するための根本的な生理的変化が必要であった。ハクジラ類が鼻腔の発声器官を進化させたのに対し、ヒゲクジラ類は喉頭を発音に使っていると考えられてきた。しかし、ヒゲクジラ類の喉頭に音声を発する能力があること、また、その能力があるとして、それがヒゲクジラ類の極めて多様な音をどのように生み出しているかについては、直接実証されたことがない。今回我々は、ヒゲクジラ類の3種から摘出し、解剖学的構造を詳細に明らかにした喉頭で行った実験と、複数のコンピューターモデルを組み合わせて、ヒゲクジラ類が発音のために独特な喉頭構造を進化させたことを明らかにする。この史上最大級の動物群は、こうした構造によって、周波数が調整された低周波音を効率的に発することができるようになった。さらに、この発声機構は全てのヒゲクジラ類にとって祖先的なものと考えられ、ヒトを含む大半の陸生哺乳類、鳥類、そして最も近縁の動物群であるハクジラ類と基本的な物理的原理を共有していることが示された。一方で、こうした喉頭の構造は発声の周波数帯や深度に克服不可能な生理的限界を与えており、これは人為起源の船舶騒音からの逃避や深海でのコミュニケーションの妨げとなるため、能動的なコミュニケーションの範囲が大きく制限される。

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