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化学:前生物的ライゲーション反応における対称性の破れとキラル増幅
Nature 626, 8001 doi: 10.1038/s41586-024-07059-y
生体分子の単一キラリティーは、生命の特徴である。しかし、単一キラリティーがどのようにして出現したのかを合理的に説明することは、いまだに困難な目標である。研究では一般的に、ペプチドや遺伝情報高分子であるRNAとDNAを構成するモノマー構成要素(糖やアミノ酸)の初期の対称性の破れと、その後のエナンチオ濃縮に重点が置かれている。しかし、こうした構成要素が部分的にしかエナンチオ濃縮されないと、鎖の成長の失速が起こる可能性があり、これは核酸の場合、「原初のsyn型の問題(the problem of original syn)」と遊び心を込めて名付けられた。今回我々は、タンパク質構成ペプチドへの前生物的に妥当と思われる新しい経路の研究において、反応がヘテロキラルなライゲーション(すなわち、LモノマーとDモノマーのライゲーション)に有利であることを発見した。この発見は、ホモキラルL-ペプチドの前生物的出現にとって問題があるように思われるが、我々は、逆説的に、このヘテロキラル優先性がホモキラル鎖のエナンチオ濃縮機構をもたらすことを実証する。対称性の破れ、キラル増幅、キラリティー移動過程は、複雑な混合物中の分子1種類のみがエナンチオマー濃度の不均衡(非ラセミ)を示す場合であっても、多成分競争反応における全ての反応物と生成物について起こる。溶解度を考慮することで、さらなる化学的精製とキラル増幅の増強が合理的に説明された。実験データと速度論的モデル化は、この前生物的に妥当と思われるホモキラル生体ポリマー出現機構を裏付けている。

