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神経科学:頭の向きの信号を目標に向かう舵取り指令に変換する

Nature 626, 8000 doi: 10.1038/s41586-024-07039-2

ナビゲーションを行うには、我々は自身が進んでいる方向を常に見積もり、目標からのずれを修正しなくてはならない。方向の見積もりは、頭方向システムの環状アトラクターネットワークによって達成されている。しかし、この方向感覚がどのように用いられて行動を導くかは、よく分かっていない。ショウジョウバエ(Drosophila)のコネクトーム解析からは、頭方向システムと歩行システムをつなぐ3つの細胞集団(PFL3R、PFL3LおよびPFL2)が明らかになっている。今回我々は、画像化、電気生理学、化学遺伝学的刺激を用いて、これらの細胞集団がナビゲーション中にどのように機能しているか調べた。各ニューロン集団は、頭方向ベクトルのずれたコピーを受け取るが、それら3つの参照枠は互いに約120°ずれていることが分かった。各細胞タイプは次に、自身の頭方向ベクトルを共通の目標ベクトルと比較して、これらのベクトルの一致度を、非線形変換を介して評価する。その後、これら3つの細胞集団の出力がまとめられて歩行指令が作られる。PFL3R細胞は、ハエが目標の左側に向かっているときに動員されて活動し、右転回を促すのに対し、PFL3Lはこれと逆の働きをする。一方、PFL2細胞はハエが目標から遠い位置にあるときに動員され、舵取りの速度を上げる。PFL2細胞は、方向の誤差が大きくなると舵取りの強さを適応的に増大させ、これによって速度と正確さの間のトレードオフを効果的に調整している。まとめると今回の結果は、脳内の空間地図が、外界中心座標から身体中心座標への変換を介して内的目標とどのように結び付けられ、行動指令が作られるかを明らかにしている。

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