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物性物理学:多層グラフェンにおける分数異常量子ホール効果

Nature 626, 8000 doi: 10.1038/s41586-023-07010-7

分数異常量子ホール効果(FQAHE)は、ゼロ磁場での分数量子ホール効果の類似現象であり、自発的な時間反転対称性の破れの下でトポロジカル平坦バンドに存在すると予想されている。FQAHEが実証されれば、トポロジカル量子計算の基礎となる非アーベル型エニオンにつながる可能性がある。今のところFQAHEは、モアレ充填率v > 1/2のツイストMoTe2でしか観測されていない。グラフェン系のモアレ超格子にはFQAHEが存在すると考えられており、これには優れた材料品質と高い電子移動度という潜在的な利点がある。今回我々は、菱面体晶5層グラフェン–hBNモアレ超格子における整数QAH効果と分数QAH効果の観測結果について報告する。ゼロ磁場では、モアレ超格子のv = 1, 2/3, 3/5, 4/7, 4/9, 3/7, 2/5の所で、量子化されたホール抵抗Rxy = h ve2 のプラトーがそれぞれ観測されており、縦抵抗Rxxに明瞭なディップを伴っていた。Rxyは、v = 1/2の所で 2h e2 に等しく、vに対して線形に変化し、高磁場で半充填最低ランダウ準位にある複合フェルミ液体に類似している。我々は、ゲート電気変位場Dvを調整することによって、フェルミ液体とFQAHの複合状態から他の相関電子状態への相転移を観測した。今回の系は、特に同一デバイスにおけるFQAHE領域と超伝導領域の間の横方向接合を考えると、ゼロ磁場での電荷分数化と(非アーベル型)エニオンブレイディングを調べる理想的なプラットフォームとなる。

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