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気候科学:氷期に高まった南半球の水分の利用可能性

Nature 626, 7998 doi: 10.1038/s41586-023-06989-3

後期更新世の氷期の気候は、低緯度域から中緯度域の生態系に水分ストレスを課していたと特徴付けられることが多い。この考えは主として、氷期の生物量の少ない広範な植生に関する花粉化石の証拠に基づいており、乾燥した気候を示していると解釈されている。しかし、低い大気中CO2濃度の下では木本植物の成長は抑制されているので、氷期の環境を理解するには、植生とは独立した新しい古気候指標を開発する必要がある。今回我々は、予想に反して、過去35万年にわたり、オーストラリア南部の気候の水分の利用可能性のピークの大半は最終氷期極大期を含む氷期に限られていたのに対し、温暖な間氷期は比較的乾燥していたことを示す。我々は、現在は年間の水分収支が負であることが多い南半球亜熱帯域の鍾乳石の成長の時機を測定することによって、植生とは独立した複数の氷期–間氷期サイクルにわたる気候の水分利用可能性の記録を開発した。今回の結果は、寒冷-湿潤応答が南半球亜熱帯全域で一貫しており、部分的には、氷期の低温の下での蒸発量の減少に起因した可能性があることを示している。今回の知見は、南半球亜熱帯域の寒冷な氷期環境が一様に乾燥していたとされる限り、そうした環境が、動物集団、植物群、潜在的にはヒト集団の移動や拡大に対する進化的・生理学的な障害であったという特徴付けを再考するべきであることを示唆している。

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