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免疫学:常在型記憶CD8+ T細胞による呼吸器ウイルス伝播の防止

Nature 626, 7998 doi: 10.1038/s41586-023-06937-1

理想的なワクチンとは、感染者でのウイルス増殖と疾患を減弱させるとともに、集団内での感染拡大も低減させることで、集団免疫を達成するものである。この戦略は、麻疹、黄熱、ポリオに対しては体液性免疫を生じさせることで、成功することが証明されているが、多くの呼吸器ウイルスは既存の抗体を回避するように進化する。エスケープ変異株に対する抗ウイルス免疫の幅を改善する手法の1つは、呼吸器に記憶T細胞を生じさせ、呼吸器ウイルス感染に迅速に応答するよう配置することである。しかし、感染曝露した個体で、ウイルス伝播を起こさないか大きく低減させる程度まで、記憶T細胞のみで効果的に呼吸器を監視できるかどうかは分かっていない。今回我々は、パラインフルエンザウイルスの自然伝播のマウスモデルを用いて、呼吸器に常在する記憶CD8+ T細胞が、ウイルス特異的な抗体を持っていない場合でも、感染の獲得のしやすさと伝播の範囲の両方を低減させることによって、集団免疫をどの程度提供できるかを定量化した。その結果、常在型記憶CD8+ T細胞による防御には、抗ウイルスサイトカインであるインターフェロンγ(IFNγ)が必要であり、この防御が呼吸器内の上皮細胞の転写プログラム化の変化につながることが実証された。今回の結果は、呼吸器の組織常在型CD8+ T細胞が、宿主のウイルス疾患を防ぎ、集団全体へのウイルスの広がりを制限する際に重要な役割を担い得ることを示唆している。

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